創業者の「やってみなはれ」精神が今も生きる、サントリーの企業理念とは

創業者の「やってみなはれ」精神が今も生きる、サントリーの企業理念とは

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世界的なコンクールで最優秀賞、金賞などを受賞したウイスキーを製造するサントリー。2018年卒就活生が選ぶ人気企業ランキング6位にもランクインしています。しかし、サントリーの人気が高いのは待遇の良さや企業としての知名度の高さだけが理由ではありません。

彼らの根底にあるのは創業者の哲学「やってみなはれ」精神。ものづくりにかける情熱が引き継がれているサントリーの企業理念とはどんなものなのか?今日はそんなお話をお伝えします。

開拓者の精神「やってみなはれ、やってみなわからしまへんで」

サントリーの前身であった寿屋には、赤玉ポートワインという大ヒット商品があり食品メーカーとしての確固たる地位を築きつつありました。創業者である鳥井信次郎がウイスキーの製造に乗り出したのは、まさにそんな絶頂のときだったのです。ウイスキー製造のノウハウもなく、酒税の関係で利益が上がるどうかもわからない。寿屋の全役員がウイスキー事業に反対を唱えました。

それでも鳥井信次郎は三井物産に頼み、本場イギリスから醸造技師であるムーア博士を招へいしようとしました。すると、本人からスコットランドでウイスキー製造を学んだ日本人の青年がいることを知らされます。それが、のちのニッカウヰスキー創業者になる竹鶴政孝です。

サントリーが山崎に蒸留所を構えた理由とは

竹鶴はウイスキー製造に最も適しているのは北海道であると進言しますが、鳥井は消費者や国民に見てもらえないようなところで作る商品は売れないとして、大阪から近いところに工場を建てることだけは譲りませんでした。

山崎蒸留所は現在でも見学ツアーの人気が高い工場ですが、鳥井はそんなところまで見越していたのでしょうか。奇しくも山崎の竹林の下を流れる地下水をムーア博士に送ったところ「醸造にはもっともふさわしい水である」という答えが返ってきます。

竹鶴は「鳥井さんには商品を育てる勘と努力に先天性のものがあった」と感じていたそうですが、現状に甘んじることなく、あえて苦難の道を選びそれをやり遂げるという鳥井の「やってみなはれ」の信念と根気よい努力がなければ、こうした運を引き寄せられなかったのではないでしょうか。

これこそが、サントリー現社長の新波剛史氏が唱える、やってみなはれ精神の本質「高く広い視座をもって考え抜き、何をすべきかを決め、最後までやり抜いて結果を出すこと」にもつながっていくのかもしれません。

空襲によりすべてを失ったあとに残された、山崎の原酒

苦心の末、できあがったウイスキーもすぐには売れませんでした。その後、世界大戦が勃発。寿屋は多くの社員や工場を失います。ウイスキーの原酒は山崎工場の敷地内に土を掘って埋めてありました。その原酒が戦後、トリスウイスキー、サントリーローヤルとなって出荷されたのです。現在でもサントリーが重きをおく職種、飲食店営業担当の努力のかいもあってトリスやローヤルは大ヒットを博します。

その後、ウイスキーが低迷した時代を経て、2008年に起こした「角ハイボール復活プロジェクト」が結実。現在では原酒が不足し、山崎の10年ものや12年物は販売終了となってしまうほどの人気となっています。

現場の声を生かす。少人数の一体型チームで仕事を成し遂げる社風

サントリーでは複数の部門の担当者が少人数でチームを作り、ひとつの仕事を成し遂げていきます。新商品の開発であれば、現場担当者の声がより重視されます。現場担当者の声が開発グループに届かないということがないのです。

客先である飲食店の課題解決のサポートや新しい飲み方を開発・提案するコンサルタント職を外食店経験者から中途採用していることからも、いかに経験を伴う現場の声を重視しているかが分かります。

また、鳥井信次郎は売上を上げるだけではなく、品質第一という信念も曲げない人でした。現在でも、技術を身につけた高専卒業者を積極的に採用。「品質を担う技術者の技」もサントリーには欠かせない要素なのです。

少人数のチームなら、決断が早くなりフットワークの軽さにつながります。このような流れがヒット商品の連発や風通しのいい会社づくりに役立つっているのではないでしょうか。

本気のダイバーシティで多様な価値観と発想を

社員の満足度が非常に高いサントリーですが、経営層には同じタイプの社員ばかりが集まることへの危機感が芽生えていたそうです。そこで2010年からは女性、シニア、障がい者、外国人が活躍できる企業を目指し、グループ全体でダイバーシティに取り組むことで、新たな価値を創造する可能性を追求しています。

女性社員が出産後、スムーズに復職できるようベビーシッターサービスを利用できる制度やテレワークを使って在宅で仕事をできる制度を設けたり、男性社員が育児休暇を取得しやすい環境を作ったりといった取り組みにも着手。日経DUAL共働き子育てしやすい企業ランキング2016(2016年12月発表)で1位を獲得しています。

おわりに

現状に甘んじることなく、常に新しい価値観を追求し困難を乗り越える精神。少人数でひとつのことをやり遂げる充実感。多様な社員が働きやすいと感じる環境づくり。サントリーの人気はこうしたところにあるのかもしれません。社会人でも30代、40代になると守りに入ってしまう人が多いと思いますが、ときには「やってみなはれ」精神で新しいことにチャレンジしたいものですね。

・執筆: jobFeed編集部
Top Image @Norio NAKAYAMA

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