景気が回復したといわれるようになって久しい日本。家計は苦しいままで実感がわかないという声もありますが、それでもなんらかの仕事には就いているという方がほとんどなのではないでしょうか。日本は世界的に見ても失業率が低い国ですが、失業率の低さと暮らしの豊かさは必ずしも一致しないようです。ここでは日本より失業率が低い国を例にあげて紹介していきます。

失業率が低い国 – 日本

2017年12月26日に総務省によって公表された2017年11月分の労働力調査によると11月の完全失業率は2.7%。なんらかの仕事についている「就業者」の数は2017年10月に比べると75万人の増加で59カ月連続の増加していることになります。

この就業者の数値はで自営業主や家族従業者に企業に雇われている「雇用者」をプラスしたもの。雇用者だけになると前月から86万人増加でこちらも59カ月連続の増加となっています。

業種では「医療や福祉」「サービス業」「製造業」「教育、学習支援業」などが増加。完全失業者の数は178万人で前月に比べると19万人減少し、90カ月連続で減少しています。デフレでありながら、失業率が3%以下で経済成長を続けている国というのは世界的に見ても少ないのです。

失業率が低いアジアの国

2016年度におこわなれた世界109か国の失業率ランキングでは日本は3.12%、100位につけていました。日本より失業率が低いアジアの国を見てみましょう。

・103位 香港 2.68%
・104位 ベトナム 2.33%
・105位 シンガポール 2.08%
・107位 マカオ 1.9%
・109位 タイ 0.75% 

タイの「失業率が1%未満」というのは驚きですね。筆者はバンコクに滞在したことがありますが、デパートや美容院、マッサージ店などどこも従業員の数が多いように感じました。客の少ない時間帯でも従業員の数が多いのです。さらに、年収平均が130~140万円程度。効率のいい働きかたができているかどうか、仕事にやりがいと感じているかどうか、収入面で満足している人がどれだけいるかというと疑問が残ります。

以前、コールセンターをタイに移す外資系企業でタイ人スタッフのスーパーバイザーを務めたこともありますが、「タイの人は楽しく働くことが優先で少しでも怒られたり、注意されたりするとすぐに辞めてしまうから気をつけるように」と現地の駐在員からアドバイスされました。実際、タイの人は飽きっぽいところもあるようで、ひとつの仕事が長続きせず、離職率も高いという側面もあります。

失業率が低いヨーロッパの国

日本より失業率が低いヨーロッパの国は以下の2か国のみとなっています。

・101位 アイスランド 3.01%
・108位 ベラルーシ 1.02% 

2008年のリーマンショックによる国家の経済的破たんから回復しつつあるアイスランド。銀行を破たんさせて納税者を保護した結果、記録的なペースで伸びを見せている観光業の発展も手伝って、2017年5月には資本規制も解除され、見事な経済復興をとげています。

一方、意外なのがベラルーシです。旧ソビエトの国々の多くが経済的に伸び悩んでいるなかにあってこの数値。ヨーロッパ在住時に、ベラルーシから仕事を求めてヨーロッパの国々に移住してくる女性をよく見ていただけにこの数値をにわかに信じることはできませんでした。

では、なぜベラルーシの失業率がこんなに低いのか。答えは簡単です。ベラルーシでは失業者として登録するのに手間がかかることや奉仕活動をしなければならないこと、失業手当が少ないことなどから登録する人が少なく、単に国が失業者の正しい数を把握していないのです。実質的な失業率は20~30%近くになると考えられ、スペインやアルメニアなどの国とそれほど差がありません。

アイスランドの経済復興が成功したのも、国家としての規模が小さかったからという意見が大半です。失業率が低いからといって、必ずしも日本よりも豊かな生活が送れるというわけではないことがわかりますね。

おわりに

今回は日本より失業率が低い国を紹介しました。必ずしも「失業率の低さ=生活の豊かさ」につながらないということがお分かりいただけたのではないでしょうか。正規雇用者が少ないことや急速な高齢化による労働力不足などさまざまな問題を抱えている日本。今後の政策にも注目したいですね。