2018年税制改正の内容で注目を集めた所得税額の見直し。年収850万円を超える会社員は増税となり、対象は約200万人。900億円の所得税増収が見込めると言われています。「稼げば稼ぐほど、税金が増える」ことにやるせなさを感じている方もいると思いますが、日本より税金が高い国がいくつもあるのをご存知でしょうか。ここではは日本より税金が高い国ランキングと、税金が高い理由についてまとめてみました。

消費税20%越えは当たり前?

日本より税金が高い国ランキングとその理由
出典: 外務省/世界の消費税

「消費税が10%になったら生活が圧迫される……」と不安を感じている人が多いと思いますが、ヨーロッパには20%以上の消費税をとるところも多々あります。ただし「消費税率」と「実際に感じる物価の高さ」は必ずしも比例するわけではありません。

東京より物価が高い街としてロンドンがよくあげられますが、イギリスの消費税は20%。同じ消費税率20%でも筆者が暮らしていたことのあるイタリアでは「消費税込み20%でも日本より安いもの」がほとんどだったので、それほど物価が高いと感じることはありませんでした。

所得税が日本より高い国ランキング

まずは平成27度以降、制定されている日本の所得税率を見てみましょう。

日本の所得税率は年収4000万円越えでも最大で45%となっています。世界とどのくらい差があるのか気になりますよね。では、いよいよランキングです。

・第一位:オランダ領アルバ

カリブ海に浮かぶオランダ領の島国、アルバ。所得税は最大で58.95%。となっています。ほぼ60%ですね。

「アルバなんて国聞いたことない」という人も多いかもしれません。アルバは本国オランダ並みのインフラ設備と高い教育水準で失業率も低く、有力産業は石油精製と観光業。アメリカから多くの観光客が訪れ、世界的なリゾート地として注目を集めています。国民総生産が伸び、国民の収入が増えることで所得税率も上がっているのです。

・第二位:スウェーデン

所得税率は最大で約56%。年収550万円以上で税率は約51%、それ以下で30%。貯蓄がほとんどない国民が多いといわれてます。一見働くのがむなしくなりそうな数値ですが、「ゆりかごから墓場まで」と言われているように高い社会保障の恩恵を受けことができる国として世界的に注目され続けていることは皆さんもご存知でしょう。

特に充実しているのは子育て世代に対するサポートです。出産費用や教育費、医療費、などは無料で育児休暇はこどもが8歳になるまで取得することができ、一人当たり480日。ベビーカーに乗せた赤ちゃんを連れていると大人もこどもも市バスは無料、自治体によっては子どもが生まれると自治体が保育園の空きを確保しなければならないところもあるのだとか。

こうした充実した社会保障を支えるために税率が高くなっているのがスウェーデン。「税金が高いものの社会保障が充実していて、国民の満足度が高い」というイメージがあり、雇用、福祉、環境、教育など面でロールモデルとされることがありますが、「物価が高い」「若い年齢層で失業率が高くなっている」「高齢化や移民増加などによって年金の受給額や負担額に格差や不公平感が生じてきている」というのが実情のよう。

・第三位:デンマーク

北欧デンマークの所得税率は約51%。こちらも稼いだ額の半分が税金として持っていかれる計算です。日本のような累進課税制度ではなく、どんなに収入が少なくてもまず税金をはらって、収入が低い人はそこから還付されていくような形をとっているので「税金の払い逃れ」というのが存在しません。物価は高いものの、給与水準も高くパートタイムでも時給にすると日本円で2000円くらいが最低額です。

教育費は大学まで無料、医療・介護も無料なので「教育費」「老後の資金」などが不要。格差が生まれにくい仕組みといっていいでしょう。国民の満足度や政治に対する信頼度は高く、地方議員に至っては全員がボランティア、すなわち無休で本当に国をよくしていこうと思う人しかいないのだそう。それだけに高い税金であっても国民が納得して払っているということになります。

・おわりに
日本よりはるかに所得税率が高い国はいくつも存在しています。ただし、税率が高くても税金が正しく使われ、不公平感のない社会であれば国民は満足、かつ国民が政治を信頼しているということが分かりました。

日本も北欧なみに消費税、所得税率を上げるなら、政治家の給与を減らして利権や賄賂のない構造を作り上げるなど、まずは国民の信頼を得るところから始める必要があるのかもしれません。

・執筆: jobFeed編集部